西荻窪駅南口から徒歩5分の西荻窪南口きりん堂整骨院です。
側弯症で悩まれている方も多いかと思います。
今回は側弯症と筋肉の関係についてご紹介いたします。
側弯の凸側では筋の活動が強まります。
これは、これらの筋が頭側の身体部位を支えているからです。
ですが、凸側の筋は肥大せず、筋力は強まりません。
というのも、これらの筋は、かなり強く伸張されているからです。
これらの筋は、強くなるどころか、負荷に耐えられなくなり、緊張し続けることで衰弱し、ついには、側弯症の進行を骨により阻止しなければならなくなります。
側弯の凹側の筋は、筋電図上の変化は見られませんが、カープの増強に伴い、短縮し、機能が失われます。
これとともに、伸張が弱まり、凹側でも筋の機能不全が強まると考えられます。
側弯症では、必ず骨―靭帯一筋システムにおける負荷能力と負荷の不均衡が先行して存在します。
骨格がいったん鉛直線から逸脱すると、身体は徐々に「静力学的な代償不全」を強いられます。
また、全身の結合組織が弱まり、靭帯の機能が低下します。
更には、脊椎関節、肋椎関節、さらに肋胸骨結合部が生理的な位置を脱し、椎骨の回旋滑り、 さらに亜脱臼が生じることもあります。
これにより初めて、身体の一部が大きくゆがみます。
側弯症により変化した運動器系は、筋(一側で過剰負荷により伸張し、他側で収縮し萎縮する) により支えられています。
これにより脊柱の捻れは、何倍も強まり、信じがたい変形が生じます。
生理的な圧迫・牽引が大きくなるにつれ、これらが骨に与える影響も強まります。
まず椎間板が楔形になり、さらに椎体の圧迫萎縮も生じます。
弱い椎体どうしの骨性結合が生じます。
腹筋
側弯症では、骨盤帯と胸郭 (肩甲帯) が反対方向に回旋します。
これは、腹筋全体に悪影響を与えます。
背側右側弯症では、右側の外腹斜筋の筋線維と左側の内腹斜筋の筋線維 (これらは斜めに平行して走行する) が過伸張すると考えられています。
その結果、「肋骨隆起」が側方および後方に偏位します。
対側では、背側凹側の腰部が、外側および後方へ移動します。
対置する筋は短縮し、その結果、「前方肋骨隆起」と呼ばれる肋骨弓と、肋骨隆起の下方の腰部が前方内側へ移動します。
エクササイズ治療では、筋の均衡を回復しなければなりません。
そのため、延長した対角線の筋を短縮し、短縮した対角線の筋を延長させます。
これは、どのエクササイズにあてはまる原理になります。
短縮した対角線を延長する際、対側の過伸張した対角線よりも長く延長させます。
これと同時に、その他の腹筋 (同様に斜めに引っ張られていた)も正常になり、これにより体幹の姿全体が正常化します。
腰方形筋および深部の姿勢保持筋
腰方形筋の役割は、脊柱起立筋とともに、両側での作用を通じて、腰椎を正中の位置に維持することです。
というのも、腰方形筋は、第12肋骨に加えて、腰椎の横突起にも付着するからです。
側弯症では、片側の腰方形筋が付着する腰椎の横突起を自らと同側へ牽引します。
その結果、腰椎が側方偏位するとともに回旋します。
これにより腰椎側弯症が生じます。
腰方形筋が不活動になると、横突起を牽引しなくなります。
これは、肋骨隆起側で起こります。
椎骨は対側へ移動し、腰椎の代償性カーブが生じます。
上体が肋骨隆起側に偏位すると、腰方形筋と脊柱起立筋を通じて、均衡を保たなければなりません。
このため、これらの筋は、より多くの支持活動を余儀なくされます。
側弯症では、病的な筋による牽引の持続や、全身の結合組織の弱化(靭帯の弛緩も伴う)により椎骨の関節結合が軸を脱し、時に亜脱白します。
その結果、腰椎の捻れが生じ、棘突起が腰部の凹側へ回旋します。
肋骨隆起の下方では、横突起が(腰部とともに)前方へ回旋します。
腰部筋が短縮する一方、対側では、横突起 (触知可能)が捻れ、目で確認しうる筋隆起が生じます。
今回は側弯症により腹筋と腰方形筋がどうなるかに関してお伝えしました。
次回は側弯症と他の筋肉との関連に関してもお伝えできればと思います。
参照:シュロス法による側弯症治療
著者:クリスタ・レーネルト・シュロス
ペートラ・グレブル