側弯症で筋肉はどうなる?左右差・腰痛・肩の高さとの関係を解説
「左右で肩の高さが違う」
「片側の背中だけ張りやすい」
「腰の片側ばかり疲れる」
「側弯症と言われたけれど、筋肉にはどんな影響があるの?」
このような疑問はありませんか?
側弯症というと、
「背骨が横に曲がっている状態」
というイメージを持つ方が多いと思います。
しかし実際には、側弯症は背骨が左右へ曲がるだけではなく、椎骨の回旋や胸郭の左右差を伴う三次元的な変化として考えることが大切です。
そのため、
背中の筋肉
肩甲骨
胸郭
骨盤
呼吸
身体の使い方
などにも左右差が現れることがあります。
今回は西荻窪南口きりん堂接骨院が、側弯症と筋肉の関係について、シュロス法の考え方も参考にしながら分かりやすく解説します。
側弯症は「横に曲がるだけ」ではない
側弯症では、背骨を正面から見たときに左右へカーブするだけでなく、椎骨の回旋なども伴います。
つまり、
横方向のカーブ
+
回旋
+
胸郭の形の変化
が組み合わさっています。
このため、
「右に曲がっているから左を伸ばせばいい」
というような単純な考え方では整理できません。
シュロス法でも、側弯症を三次元的な変形として捉えることが重要視されています。
側弯症では筋肉に左右差が出る?
側弯症では、脊柱や胸郭の位置関係が左右で異なるため、背中周囲の筋肉にも左右差がみられることがあります。
特に、
- 脊柱起立筋
- 多裂筋
- 腰方形筋
- 大腰筋
- 肩甲骨周囲筋
などです。
ただし、
「片側の筋肉が縮み、反対側が伸びているだけ」
という説明では不十分です。
実際には、
筋肉の長さ
筋活動
使われるタイミング
身体を支える役割
などにも違いが出る可能性があります。
つまり、見た目の左右差だけで、
「こちら側を伸ばす」
「こちら側を鍛える」
と決めるのは難しいということです。
なぜ片側の背中だけ張るの?
側弯症がある方では、
「いつも右の背中だけ張る」
「左腰だけ疲れる」
と感じることがあります。
これは身体が傾いた状態をそのまま放置しているというより、その姿勢の中でも立つ・歩く・座るために筋肉が働き続けていることが関係します。
例えば、
背骨のカーブ
↓
胸郭の左右差
↓
肩甲骨の位置変化
↓
身体の重心変化
↓
筋活動の左右差
という流れが生じることがあります。
そのため、
張っている側=悪い側
とも限りません。
身体を支えるために、むしろ頑張って働いている可能性もあります。
側弯症と胸郭の関係
側弯症では、背骨だけではなく肋骨や胸郭の形にも左右差が出ることがあります。
特に胸椎部分の側弯では、
- 背中の片側が盛り上がって見える
- 肋骨の高さが左右で違う
- 肩甲骨の位置が違って見える
といった変化がみられることがあります。
このため、側弯症を見るときには、
背骨だけでなく胸郭を見る
ことが重要です。
シュロス法では「呼吸」も重要視する
『シュロス法による側弯症治療』では、姿勢修正だけでなく呼吸を利用したアプローチも特徴の一つです。
側弯症では胸郭の形に左右差があるため、呼吸による肋骨の動きにも差が出ることがあります。
そこで、
動きにくい方向へ呼吸を意識する
胸郭を立体的に動かす
姿勢修正と呼吸を組み合わせる
といった考え方が用いられます。
これは単なる深呼吸ではなく、
胸郭の左右差を意識しながら呼吸する
というところが特徴です。
ただし、自分のカーブのタイプを把握せずに自己流で強く矯正することはおすすめしません。
側弯症と肩の高さの左右差
側弯症では、
左右の肩の高さが違う
と感じることがあります。
しかし、
肩が低い側の筋肉が弱い
肩が高い側の筋肉が硬い
と単純に判断することはできません。
肩の高さには、
- 胸椎のカーブ
- 胸郭の回旋
- 肩甲骨の位置
- 骨盤との位置関係
などが影響します。
そのため、肩だけを見るのではなく、身体全体の左右差として考えることが大切です。
側弯症と腰痛は関係する?
側弯症があるからといって、必ず腰痛が起こるわけではありません。
一方で、
長時間立つ
長時間座る
歩く
片側へ体重をかける
といった場面で、背中や腰の片側に負担を感じる方もいます。
ただし、腰痛には、
- 股関節
- 椎間板
- 神経
- 筋肉
- 生活習慣
- 身体活動量
など多くの要素が関係します。
そのため、
「側弯症だから腰が痛い」
とすべてを側弯症だけで説明しないことも重要です。
自宅で確認してみたい3つのポイント
① 肩の高さ
鏡の前に自然に立ちます。
無理に姿勢を正さず、
右肩と左肩の高さ
を確認します。
② 肩甲骨・背中の左右差
可能であれば、ご家族などに後ろから確認してもらいます。
- 肩甲骨の出方
- 背中の盛り上がり
- ウエストライン
などを左右で比較します。
③ 前屈したときの左右差
両足をそろえ、身体をゆっくり前へ倒します。
このとき、
左右の肋骨や背中の高さに差がある
場合は、整形外科での確認をおすすめします。
特に成長期のお子さんでは重要なチェックポイントです。
側弯症ならストレッチをすればいい?
「右が硬いから右を伸ばす」
「左右同じようにストレッチする」
だけでは十分とは限りません。
シュロス法では、側弯の方向や回旋、胸郭の形などを考慮しながら、個々のカーブパターンに合わせて姿勢や運動を考えるという考え方があります。
つまり、
左右同じ運動をすればいいとは限らない
ということです。
逆に、自己流で強く身体を捻ったり、左右差を無理に消そうとする必要もありません。
自宅で行うなら「左右差を感じる」ことから
強い痛みがなく、医療機関から運動を制限されていない場合は、まず身体をゆっくり動かすところから始めます。
胸郭の回旋
椅子に座り、胸の前で腕を組みます。
その状態で身体を左右へゆっくり回します。
左右5回程度を目安にします。
呼吸の左右差を確認
楽な姿勢で座り、両手を左右の肋骨に当てます。
ゆっくり息を吸いながら、
左右どちらの肋骨が動きやすいか
を感じてみます。
無理に動きにくい側を広げる必要はありません。
まずは左右差に気づくことから始めます。
側弯症を接骨院だけで判断しない
ここは非常に重要です。
側弯症の診断やカーブの程度を確認するには、整形外科など医療機関での画像評価が必要です。
特に、
- 学校検診で指摘された
- 成長期で左右差が目立つ
- 肩の高さが変わってきた
- 背中の盛り上がりが強くなっている
場合は、まず医療機関で確認してください。
西荻窪南口きりん堂接骨院では何を見る?
すでに医療機関で側弯症と診断されている方が、
「片側の腰がつらい」
「背中が張る」
「長時間座ると疲れる」
といった症状で来院されることがあります。
その場合、
- 胸椎・腰椎の動き
- 胸郭の左右差
- 肩甲骨の動き
- 骨盤・股関節
- 脊柱周囲筋
- 呼吸時の胸郭の動き
- 立位姿勢
- 前屈・回旋
- 日常生活でつらくなる動作
などを確認します。
大切なのは、
「曲がった背骨を真っすぐにする」
という考え方ではありません。
側弯そのものの診断や経過観察は医療機関で行い、当院では筋肉の負担や身体の使い方、日常生活で困っている動作を確認します。
FAQ
Q. 筋肉が硬いから側弯症になるの?
筋肉の硬さだけで特発性側弯症になるとは考えられていません。
Q. 左右の筋肉を同じように鍛えればいい?
必ずしもそうではありません。カーブの位置や回旋方向などによって身体の使い方は異なります。
Q. 呼吸で側弯症は治る?
呼吸運動だけで側弯症が元に戻ると考えるのは適切ではありません。シュロス法では、呼吸は三次元的な姿勢修正を行うための一要素として用いられます。
Q. 接骨院で側弯症を治せますか?
側弯症そのものの診断・治療・経過観察は医療機関で行います。当院では、診断済みの方の筋肉の負担や身体の動きなどを確認します。
まとめ|側弯症は「背骨+胸郭+筋肉」を立体的に見る
側弯症は単に背骨が横へ曲がっているだけではありません。
脊柱のカーブ
椎骨の回旋
胸郭の左右差
肩甲骨
筋肉
呼吸
身体の使い方
が関係する三次元的な状態として考える必要があります。
そのため、
「硬い側を伸ばす」
「張っている側を揉む」
だけでは十分ではありません。
『シュロス法による側弯症治療』でも、三次元的な姿勢修正や胸郭・呼吸を含めて身体を見る考え方が示されています。
側弯症そのものについては整形外科で適切な診断と経過観察を受け、そのうえで背中・腰の負担や身体の動かしにくさがある場合には、身体全体の使い方まで確認していくことが大切です。
参考文献・参考資料
- クリスタ・レーネルト・シュロス、ペートラ・グレブル 著
『シュロス法による側弯症治療―エクササイズと呼吸テクニックで脊柱の弯曲と捻れを矯正する』 - 日本整形外科学会「側弯症」
- 日本側彎症学会 患者向け情報
- 思春期特発性側弯症における脊柱周囲筋・筋活動・胸郭機能に関する研究
