家を出た直後は普通に歩ける。
ところが5分、10分と歩いていると、
お尻から太もも、ふくらはぎにかけて痛みやしびれが出てくる。
少し休むと、また歩ける。
こんな症状はありませんか?
このような場合、
「歩きすぎて筋肉が張っただけ」
「坐骨神経が硬いから」
と単純に考えないことが大切です。
西荻窪南口きりん堂接骨院では、
何分歩くと出るのか
何mくらい歩けるのか
立ち止まるだけで楽になるのか
座る・前かがみになると楽なのか
まで確認します。
歩行中の症状では、“痛い場所”以上に“出現条件と軽減条件”が重要だからです。
まず「何分歩けるか」を聞きます
「歩くと痛い」
だけでは、まだ情報が足りません。
例えば、
家から駅まで3分なら平気。
5分くらいからお尻が重い。
10分で太ももまでしびれる。
15分になると一度休みたくなる。
このように症状が出るまでの時間を具体的にすると、
その人の歩行時の特徴が見えやすくなります。
さらに、
昨日は10分歩けた。
今日は20分歩けた。
という変化も確認できます。
当院では、
「歩ける・歩けない」ではなく、“症状が出るまでの距離や時間”
を見るようにしています。
坐骨神経痛と思っていても「歩行時の脚症状」は一種類ではありません
ここは④で特に大切な部分です。
歩くとお尻や脚が痛くなる症状は、
一般的に「坐骨神経痛」と呼ばれることがあります。
ただし、実際には腰椎由来の神経症状だけでなく、腰部脊柱管狭窄症による神経性間欠跛行など、別の状態でも歩行時の下肢症状が出ることがあります。 NICEも、下肢の跛行症状では腰部脊柱管狭窄症が関係する場合があり、専門的な評価が必要になることがあるとしています。
だから、
「歩くと脚が痛い=坐骨神経痛だから腰をほぐす」
では不十分です。
「止まれば楽」なのか、「座ると楽」なのか
患者さんに、
「休むと楽になります」
と言われたら、もう一つ聞きます。
どう休むと楽になりますか?
例えば、
立ったまま止まるだけで楽になる。
ベンチに座ると楽になる。
少し前かがみになると楽になる。
腰掛けないと症状が落ち着かない。
この違いは重要です。
同じ「休めば楽」でも、
姿勢を変えたことで症状が変わっているのか
を見る必要があります。
スーパーのカートなら長く歩ける?
歩行時症状の方に聞くことがあるのが、
「スーパーのカートを押しているときはどうですか?」
という質問です。
普通に歩くと10分でつらい。
でも、カートを押して少し前かがみになると長く歩ける。
という方がいます。
逆に、
姿勢を変えてもほとんど変化しない方もいます。
この違いから、
腰の位置が変わったときに症状がどう反応するかを考えます。
もちろん、
この反応だけで病名を決めるわけではありません。
重要なのは、
「どんな条件なら歩きやすくなるのか」
を探すことです。
平地・上り坂・下り坂でも違いを見る
「歩くと痛い」という方でも、
場所によって症状が違うことがあります。
例えば、
平地は10分歩ける。
上り坂は比較的平気。
下り坂では早く症状が出る。
あるいは、その逆。
坂道になると、
腰・骨盤・股関節の使い方が変わります。
そのため、
歩行距離だけではなく、どんな道で症状が出るのか
も重要です。
痛くなった後の歩き方を見る
歩き始めは普通だったのに、
症状が出てくると、
急に歩き方が変わる方もいます。
例えば、
-
歩幅が小さくなる
-
痛い側に乗る時間が短くなる
-
身体を前へ倒す
-
片側へ傾く
-
足を引きずるようになる
という変化です。
ここで重要なのは、
最初の10歩だけを見て「歩行は問題ありません」と判断しないこと。
5分、10分歩いた後に初めて出る特徴もあります。
「股関節が硬いから」だけでも説明しません
歩くとお尻が痛い場合、
股関節や臀部を見ることはあります。
ただし、
「お尻が硬いから坐骨神経痛」
と決めることはありません。
確認するのは、
腰椎。
骨盤。
股関節。
片脚で身体を支える能力。
脚へ体重を移す動き。
歩幅。
神経症状の出方。
さらに、
歩いた時間によって症状がどう変化するか
です。
歩行は全身運動なので、
一つの筋肉だけで説明するのは難しい場合があります。
「休みながらでも歩いた方がいい?」という質問について
坐骨神経痛では、
「痛いからできるだけ動かない方がいい」
と考える方もいます。
一方で、
無理をして長距離を歩き続ける方もいます。
どちらも極端です。
一般的な坐骨神経痛では、可能な範囲で通常の活動を続け、長時間ずっと座ったり横になったりしないことが勧められています。
ただし、
歩くほどしびれが強くなる。
脚の力が入りにくくなる。
歩ける距離が短くなっている。
という場合は、
「運動不足だからもっと歩く」だけで対応しない
ことが大切です。
当院では「歩行距離」も評価に使います
西荻窪南口きりん堂接骨院では、
必要に応じて、
-
腰椎の動き
-
骨盤
-
股関節
-
お尻周囲
-
下肢の感覚
-
筋力
-
片脚立位
-
歩行
-
前かがみ・身体を起こした姿勢での変化
などを確認します。
そして、
どのくらい歩くと症状が出るのか
も大切な評価項目として考えます。
例えば、
最初は5分で症状が出た。
身体の状態を確認してアプローチを行う。
その後、同じように歩いたときにどう変わるかを見る。
こうした再テストを行います。
身体の状態に応じて、
関節モビライゼーション、筋膜へのアプローチ、トリガーポイント療法、カウンターストレイン、メディカルマッサージなどを組み合わせます。
ただし、徒手療法だけで終わらせず、必要に応じて運動や日常生活での負荷調整も考えます。NICEでも、腰痛・坐骨神経痛への徒手療法は運動を含む治療の一部として行うことが推奨されています。
自分で記録するなら「痛み10点」よりこの4つ
歩行時症状では、
「今日は痛み7点」
だけより、
次の4つを記録すると分かりやすくなります。
何分歩けた?
症状はどこから始まった?
どこまで広がった?
何をすると軽くなった?
例えば、
「8分で右のお尻が痛み、12分でふくらはぎまでしびれた。座ると3分で軽くなった」
ここまで分かると、
身体の変化をかなり具体的に追えます。
こんな変化は「様子を見る」だけにしない
歩行中の症状で特に注意したいのは、
痛みよりも神経症状が進んでいる場合
です。
例えば、
以前より脚へ力が入りにくい。
足首やつま先が上げにくい。
歩く距離が急に短くなった。
両脚にしびれが出る。
転びやすくなった。
こうした変化がある場合は、医療機関での評価が必要です。
また、
-
両脚に強い症状がある
-
股・会陰周辺の感覚がおかしい
-
尿が出にくい、尿を漏らす
-
排便の感覚やコントロールがおかしい
-
両脚の筋力低下が進んでいる
場合は、緊急性のある神経障害の可能性があるため、速やかな医療機関での評価が必要です。
「何m歩けるか」は立派な身体の情報です
坐骨神経痛というと、
「どこがしびれますか?」
に注目しがちです。
しかし歩行時の症状では、
それと同じくらい、
どのくらい歩けるのか
が重要です。
5分なのか。
15分なのか。
駅までは行けるのか。
スーパーを一周できるのか。
途中で座る必要があるのか。
さらに、
止まるだけで楽?
座ると楽?
前かがみだと楽?
坂道ではどう?
まで確認します。
「歩くと痛い」という一言をここまで分解すると、
その人の症状の特徴がかなり見えやすくなります。
次に歩いて症状が出たときは、
痛みだけでなく、
症状が出るまでの時間と、何をしたら軽くなったか
を一度確認してみてください。
それが、歩行で強くなる坐骨神経痛を考える重要なヒントになります。
坐骨神経痛シリーズ
次は、前かがみになるとお尻から脚へ痛みやしびれが走る方へ。
