
仕事を始めたときは何ともない。
ところが30分、1時間と座っていると、
お尻が重くなり、太ももの裏からふくらはぎへジワジワしびれてくる。
立って少し歩くと楽になる。
また座ると、しばらくして症状が戻ってくる。
坐骨神経痛の相談では、このような訴えをよく聞きます。
ここで、
「姿勢が悪いからですね」
だけで終わらせてしまうと、大切な情報を見落としてしまいます。
西荻窪南口きりん堂接骨院で知りたいのは、
どんな姿勢で座っているか以上に、“何分座ると・どこから・どのように症状が出るのか”
です。
まず知りたいのは「何分座れるか」
「長く座るとしびれます」
という方に、
もう一歩詳しく聞いてみます。
10分では大丈夫。
30分するとお尻が重い。
45分で太ももまでしびれる。
1時間を超えるとふくらはぎまで響く。
このように、
座っている時間と症状が出る範囲が連動する
方がいます。
ここには、
「坐骨神経痛がある・ない」
だけでは分からない情報があります。
私たちは、
症状が出始める時間を、その人の現在の“座位耐久時間”として見る
ことがあります。
お尻だけだった症状が脚へ広がるなら?
座り始めは、
「少しお尻が張るな」
くらいだった。
そのまま仕事を続ける。
すると、
お尻
↓
太ももの裏
↓
ふくらはぎ
へ症状が広がってくる。
この変化は重要です。
同じ強さの痛みが続くのか。
しびれる範囲が徐々に広がるのか。
立つと元へ戻るのか。
この違いまで確認します。
坐骨神経痛は、一般に腰から脚へ向かう神経由来の痛みやしびれとして使われる言葉で、原因や症状の出方は一つではありません。
「骨盤を立てれば正解」とは限りません
デスクワークの坐骨神経痛というと、
「骨盤を立てて座りましょう」
「背筋を伸ばしましょう」
と言われることがあります。
確かに、座り方を変えることで症状が変化する方はいます。
しかし、
ずっと同じ“良い姿勢”を維持することが正解とは限りません。
例えば、
背筋を伸ばして座る
→ 20分でつらい
少し背もたれを使う
→ 40分は座れる
という方もいます。
反対に、
ソファに深く沈み込むとすぐしびれる方もいます。
そのため、
姿勢を見た目で良い・悪いと決めるのではなく、姿勢を変えたとき症状がどう変わるか
を見ます。
椅子より「仕事の仕方」に原因のヒントがあることも
ある患者さんは、
仕事用の椅子が悪いと思い、何度も椅子を買い替えていました。
しかし話を聞いてみると、
朝9時から昼まで、
ほとんど一度も立っていませんでした。
この場合、
問題は椅子だけではありません。
同じ姿勢を長時間続けていること
も考える必要があります。
NHSでも、坐骨神経痛では長時間座ったり横になり続けたりすることを避け、可能な範囲で通常の活動を続けることが勧められています。
そこで、
椅子を交換する前に、
30〜60分ごとに一度立つ
という小さな変化から試すことがあります。
立った瞬間に楽になる?それとも痛い?
ここも大切です。
長時間座って症状が出た後、
立つ。
その瞬間に、
スッと楽になる方
もいれば、
立ち上がった瞬間が一番痛い方
もいます。
さらに、
立つ
↓
最初の数歩はつらい
↓
歩くと軽くなる
という場合もあります。
つまり、
「座っていると痛い」
だけではなく、
座位から立位へ切り替えた後の変化
まで見なければなりません。
この情報は、③の「立ち上がりで出る坐骨神経痛」ともつながってきます。
デスクワークなら、足元も確認します
意外と見落とされやすいのが足の位置です。
例えば、
片脚を組む。
片方のお尻に体重をかける。
椅子が高くて足が床へ十分つかない。
足を前へ投げ出す。
こうした座り方が、
必ず坐骨神経痛の原因になるわけではありません。
ただし、
左右で座り方が大きく違い、その姿勢で症状が変化する
のであれば確認する価値があります。
「脚を組むのは禁止」
と決めるのではなく、
組んだときと組まないときで、症状がどう違うか
を見る方が実際的です。
車では大丈夫なのに仕事中は痛い。その逆もある
同じ座位でも、
車では大丈夫。
オフィスでは痛い。
という方がいます。
逆に、
仕事中は大丈夫なのに長距離運転だけつらい方もいます。
この違いは、
-
座面の高さ
-
背もたれ
-
骨盤の位置
-
脚の位置
-
ハンドルや机までの距離
-
途中で立てるかどうか
などが変わるためです。
ですから、
「座る」という動作を一つにまとめない
ことが大切です。
当院では「普段の座り方」をできるだけ再現します
西荻窪南口きりん堂接骨院では、
ベッドに寝てもらって身体を触るだけではなく、
普段どのように座っているかも確認します。
例えば、
「仕事で40分するとしびれる」
という方なら、
座った状態で、
身体を前へ倒す。
背もたれを使う。
骨盤の位置を変える。
脚の位置を変える。
そして立って歩く。
こうした変化を見ます。
ここで重要なのは、
正しい姿勢を押しつけることではありません。
「この人は、どの条件なら症状が出にくいのか」
を探すことです。
腰だけを触って終わらせない理由
坐骨神経痛では、
腰だけでなく、
-
骨盤
-
股関節
-
お尻周囲
-
下肢の神経症状
-
座位
-
立ち上がり
-
歩行
などを必要に応じて確認します。
身体の状態に合わせて、
関節モビライゼーション、筋膜へのアプローチ、トリガーポイント療法、カウンターストレイン、メディカルマッサージなどを組み合わせます。
ただし、手技だけで終わらせません。
ガイドラインでも、腰痛・坐骨神経痛に対する徒手療法は、運動などを含めた治療の一部として考えることが推奨されています。
そのため、
施術後にもう一度座る
立つ
歩く
ところまで確認します。
デスクワーク中に試してほしいこと
すべての方に同じ姿勢をすすめるわけではありません。
まず試してほしいのは、
症状が強くなる前に一度姿勢を変えること
です。
例えば、
45分でしびれるなら、
30分程度で一度立ってみる。
1時間座り続けるより、
数十秒でも歩く。
座り直す。
背もたれを使ってみる。
ポイントは、
「痛くなってから立つ」ではなく、「痛くなる前に変える」
ことです。
こんなしびれは早めに医療機関へ
坐骨神経痛と思われる症状でも、
-
脚の力が急に入りにくくなった
-
しびれや筋力低下が急速に悪化している
-
両脚に強い症状がある
-
股の周辺に感覚異常がある
-
尿が出にくい、漏れるなど排尿の異常がある
-
排便をコントロールしにくい
といった症状は注意が必要です。
特に、排尿・排便障害や会陰部の感覚異常などは緊急性のある神経障害でみられることがあるため、速やかな医療機関での評価が必要です。
「良い椅子」を探す前に、一つ確認してほしいこと
座っているとお尻から脚がしびれる。
そうなると、
椅子が悪い。
姿勢が悪い。
骨盤が歪んでいる。
と考えがちです。
しかし、一度確認してほしいのは、
「自分は何分座ると症状が出るのか?」
です。
そして、
症状が出始めたときに、姿勢を変える・立つ・歩くことでどう変わるか。
ここまで分かると、
単なる「デスクワークで坐骨神経痛」から、
その人特有の症状のパターンが見えてきます。
座っていること自体を怖がる必要はありません。
大切なのは、
同じ姿勢を我慢して続けることではなく、自分の症状が変化する条件を知ること。
それが、長時間座位で起こる坐骨神経痛を考える最初の一歩です。
坐骨神経痛シリーズ
次は、椅子から立ち上がる瞬間にお尻や太ももが痛む方へ。
▶ ③ 立ち上がるとお尻や太ももが痛いのはなぜ?動き始めに出る坐骨神経痛の見分け方
