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髪を結ぶ・ドライヤーで肩が痛いのはなぜ?頭上動作から見る五十肩

2026.09.18

 

 

五十肩の患者さんから、よくこんな話を聞きます。

「腕は上がるんです。でも、髪を結ぼうとすると途中で肩がつらくなります」

「ドライヤーも最初は平気なんですが、30秒くらいすると腕を下ろしたくなります」

ここで重要なのは、

“腕が上がるかどうか”だけでは、日常生活で本当に困っていることは分からない

という点です。

腕を一瞬上げられても、

その位置で30秒、1分、2分と作業できるとは限りません。

西荻窪南口きりん堂接骨院では、こうしたケースで、

「何度まで上がるか」よりも、「その位置で何が起きるか」

を見ています。


髪を結ぶ動作は、意外と難しい

髪を結ぶとき、肩は単純に上へ上がっているだけではありません。

腕を上げながら、

肘を曲げ、

手を頭の後ろへ持っていき、

その位置を保ちながら、

両手で細かい作業をします。

つまり、

肩を動かす力

だけでなく、

その位置で支え続ける力

も必要です。

さらに、髪を結んでいる途中に肩が疲れてくると、

無意識に、

  • 肩をすくめる

  • 首を前へ出す

  • 腰を反らす

  • 身体を横へ傾ける

といった動きが出ることがあります。

このとき患者さん本人は、

「肩が痛い」

と感じています。

でも実際には、

肩だけでは足りない動きを、首や背中まで使って補っている

ことがあります。


「上がるけどつらい」は、見逃されやすい

肩の評価というと、

「腕が何度まで上がるか」

を測ることが多いです。

もちろん、それは大切です。

ただ、五十肩の方の中には、

腕は一応上まで上がるけれど、日常生活では困っている

という人がいます。

例えば、

髪を結べる。

でも10秒でつらい。

ドライヤーは持てる。

でも途中で腕を下ろさないと続かない。

洗濯物は干せる。

でも数枚干すと肩が重くなる。

この場合、

「180度上がるから問題ありません」

では不十分です。

私たちは、

“できるか”ではなく、“どのくらい楽にできるか”

を見る必要があります。


ドライヤーは肩の状態が出やすい動作

ドライヤーは、肩の評価として意外と分かりやすい動作です。

なぜなら、

腕を上げたまま、少し重さのある物を持ち続ける

からです。

しかも、

手首や肘を動かしながら、

頭の横や後ろへ腕を持っていきます。

そのため、

単純な挙上だけでは見えない問題が出やすくなります。

例えば、

最初の20秒は平気。

30秒を超えると肩をすくめる。

1分後には首までつらくなる。

こういう変化があれば、

「肩が硬い」だけでは説明できません。


私たちが見ているのは「肩が疲れた後」

実は、最初の一回よりも、

少し疲れた後の動き

の方が、その人の特徴が出ることがあります。

最初はきれいに腕が上がっていても、

何回か繰り返すと、

  • 肩が上がる

  • 肘が下がる

  • 身体が傾く

  • 腰を反る

  • 動作が速くなる

といった変化が出ることがあります。

ここで初めて、

「なるほど、この人は肩そのものより、疲れてきたときの支え方に特徴があるな」

と分かることがあります。

だから当院では、

一回動かして終わりではなく、反復したときにどう変わるか

も見ています。


五十肩は「硬さ」だけの問題ではない

五十肩というと、

「関節が硬くなって腕が上がらない」

というイメージが強いと思います。

確かに、可動域制限は重要です。

ただし、実際の日常生活では、

動かせるけれど使い続けられない

という問題もあります。

特に、

  • 髪を結ぶ

  • ドライヤー

  • 洗濯物を干す

  • 高い棚へ物を置く

  • つり革を持つ

といった動作では、

肩を上げた状態を維持する必要があります。

つまり、

可動域だけでなく、保持・反復・疲労まで見ないと生活の不便さは分かりません。


「肩が痛いのに、なぜ首や背中を見るの?」と思うかもしれません

腕を高く上げるときには、

肩関節だけではなく、

肩甲骨や胸椎も一緒に動きます。

もし肩の動きが少ない場合、

身体は何とか手を頭まで持っていこうとします。

その結果、

肩をすくめたり、

胸を反らしたり、

腰を反らせたりします。

ですから、

「肩が痛いから肩だけ」

ではなく、

その動作を身体全体でどう作っているか

を見る必要があります。


五十肩の時期によって、同じ動作でも意味が変わる

ここも大切なポイントです。

例えば、

髪を結ぶときに痛い。

その原因が、

痛みが強い時期なのか。

動きにくさが中心の時期なのか。

疲労で後半に崩れるのか。

これによって対応は変わります。

特に夜間痛が強く、

じっとしていても痛い時期に、

「動かさないと固まるから」

と何度も頭上動作を繰り返すのは、負担になることがあります。

反対に、痛みがかなり落ち着いているのに、

長期間ほとんど使わない状態が続くのもよくありません。

つまり、

五十肩では“動かすか・動かさないか”ではなく、“今どのくらいの負荷なら適切か”を見ること

が重要です。


実際の評価では、生活動作をそのまま再現することがあります

例えば患者さんから、

「ドライヤーをすると40秒くらいでつらい」

と聞いたとします。

この場合、

肩を一回上げてもらうだけではなく、

実際にドライヤーを使うような姿勢を再現してもらいます。

そこで、

  • 何秒くらいで症状が出るか

  • 肩をすくめ始めるか

  • 首が前へ出るか

  • 腰を反り始めるか

  • どこで腕を下ろしたくなるか

を見ます。

そして施術後に、

同じ条件でもう一度行います。

私たちが確認したいのは、

「可動域が5度増えた」ことより、「実際の生活動作がどう変わったか」

です。


施術も「肩だけ」を触るわけではありません

状態に応じて、

  • 肩関節のモビライゼーション

  • 肩甲骨周囲へのアプローチ

  • 胸郭や胸椎の動きの調整

  • 筋膜へのアプローチ

  • トリガーポイント療法

  • カウンターストレイン

  • メディカルマッサージ

などを組み合わせます。

ただし、

全部を毎回行うわけではありません。

評価の中で、

「この動きを変えると、頭上動作がどう変わるか」

を確認しながら選択します。

例えば、

肩甲骨の動きを補助すると楽になるのか。

胸椎を起こすと腕が上げやすくなるのか。

肩関節そのものを動かしたときに変わるのか。

こうした変化を見ながら、

その人にとって負担になっている要素を探します。


髪を結ぶ・ドライヤーがつらいときの工夫

無理に一度で終わらせる必要はありません。

例えば、

ドライヤーを20〜30秒使ったら一度腕を下ろす。

肘を身体に近づけて休む。

軽いドライヤーに変える。

洗濯物を一気に全部干さない。

高い棚を頻繁に使わない。

こうした工夫でも肩への負担は変わります。

大切なのは、

「使わない」ではなく、「負担を調整しながら使う」こと

です。


こんな肩痛は五十肩だけと決めつけない

頭上動作で肩が痛くても、

すべてが五十肩とは限りません。

特に、

  • 急に腕が上がらなくなった

  • 明らかに力が入らない

  • 転倒や外傷後から痛い

  • 肩が赤く腫れている

  • 発熱を伴う

  • 強い安静時痛が続く

  • 手や腕に強いしびれがある

場合は、

整形外科など医療機関での評価を優先してください。


五十肩で本当に見るべきなのは「できるか」だけではない

髪を結べる。

ドライヤーを持てる。

洗濯物を干せる。

それだけを見ると、

「肩は動いているから大丈夫」

と思うかもしれません。

でも、

10秒しか続かない。
途中から肩をすくめる。
首まで痛くなる。
毎回途中で腕を下ろす。

のであれば、

日常生活では十分に困っています。

だからこそ私たちは、

何度上がるか
何秒保てるか
何回繰り返せるか
疲れた後にどう崩れるか

まで見ます。

五十肩は、

「腕が上がる・上がらない」

だけではありません。

“その肩を日常生活の中でどこまで使えるのか”

ここまで見て初めて、本当の状態が分かってきます。


五十肩シリーズ

▶ ① 腕を上げると肩が痛い方
▶ ② 背中に手を回すと肩が痛い方
▶ ③ 夜中に肩がズキズキ痛む方
▶ ④ 服を着る・脱ぐと肩が痛い方

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