
朝、シャツに袖を通す。
仕事から帰って上着を脱ぐ。
お風呂の前にTシャツを頭から抜く。
普段なら何も考えずにできる動作ですが、五十肩になると、こうした日常の着替えが急につらくなることがあります。
「腕を上げるだけなら何とかできるのに、服を脱ぐときだけ痛い」
「痛い側の腕を先に袖へ通さないと着られない」
「Tシャツを頭から脱ぐ瞬間にズキッとする」
こうした症状には、肩の可動域だけでは分からない情報があります。
西荻窪南口きりん堂接骨院では、
“服が着られるか”ではなく、“どの瞬間で困っているのか”
を確認します。
五十肩では「着る」と「脱ぐ」は別の動作です
一見すると同じ着替えですが、
服を着るときと脱ぐときでは、肩に必要な動きが違います。
例えば上着を着るときには、
腕を前へ出す
↓
袖へ通す
↓
腕を後ろへ動かす
↓
反対側の袖へ手を入れる
という動きが必要になります。
一方、Tシャツを脱ぐときには、
腕を上げる
↓
肘を曲げる
↓
肩をひねる
↓
頭の上を越える
といった動きが必要です。
つまり、
「着替えが痛い」という一言の中に、複数の肩の動きが隠れています。
ケース① 上着の袖に腕を通すと痛い
ジャケットやコートを着るとき、
最初の袖は通せるけれど、
反対側の腕を後ろへ回す瞬間に痛い
という方がいます。
このときは、
-
肩を後ろへ伸ばす動き
-
肩関節の回旋
-
肩甲骨の位置
などが関係します。
特に、身体を大きくひねって無理に袖を探している方は、
肩関節の動きを体幹で補っていることがあります。
ここでは、
どちらの腕を先に通すと楽なのか
も大切な情報です。
ケース② Tシャツを脱ぐときだけ痛い
服を着るときは何とかできるのに、
脱ぐときに強く痛む
方もいます。
例えば、
Tシャツの裾を持つ
↓
腕を上げる
↓
頭の上へ服を引き抜く
この途中で肩へ痛みが出ることがあります。
この動作では、
単純な挙上だけでなく、
肩を上げながら回す動き
も必要です。
そのため、
腕を前から上げる検査では問題が少なくても、
着替えでは痛むということがあります。
ケース③ 背中側の服を直すと痛い
シャツの裾を後ろで整える。
下着を直す。
上着を背中側へ引く。
こうした動作では、
①②の記事でも扱った結帯動作に近い動きが必要になります。
ただし、日常では動きが連続しているため、
単純に「内旋が硬い」とは言い切れません。
手を後ろへ回すだけでなく、
-
肩を伸ばす
-
肩甲骨を動かす
-
身体をひねる
-
手を背中の中央へ近づける
といった複合動作になります。
ケース④ 急な動きだけズキッとする
着替えでよくあるのが、
普段はゆっくりなら動かせるのに、
袖が引っかかって急に腕を動かした瞬間に強く痛む
というケースです。
五十肩では、
予想していなかった方向へ肩が急に動くと、強い痛みが出ることがあります。
そのため、
「この角度まで動くか」
だけではなく、
ゆっくりなら大丈夫なのか、急に動くと痛いのか
も確認します。
着替えは「五十肩の生活評価」として非常に分かりやすい
肩の検査では、
腕が何度上がるか。
外旋が何度あるか。
内旋がどこまでできるか。
といった数値を確認することがあります。
もちろん、それらは大切です。
しかし患者さんが本当に困っているのは、
角度ではなく生活動作
です。
例えば、
「120度まで上がりました」
と言われても、
Tシャツが脱げなければ日常生活では困ります。
だからこそ当院では、
何度動くようになったかだけではなく、着替えがどう変わったか
を確認します。
五十肩の時期によって着替え方を変える
痛みが強い時期と、動きにくさが中心の時期では、
着替え方も変えた方が楽なことがあります。
痛みが強い時期
無理に腕を大きく動かさず、
痛い側から先に袖へ通す
と負担を減らせる場合があります。
脱ぐときは反対に、
痛くない側から先に抜く
と肩を急に動かしにくくなります。
また、
前開きの服やゆったりした服を選ぶことも一つの方法です。
動きにくさが中心の時期
痛みが落ち着いている場合は、
日常動作の中で少しずつ肩を使うことも重要になります。
ただし、
痛みを我慢して勢いよく動かす必要はありません。
当院では「実際の着替え動作」に近い動きを確認します
西荻窪きりん堂接骨院では、
肩関節の可動域だけでなく、
-
腕を前へ上げる
-
横へ上げる
-
後ろへ回す
-
肩を内外へ回す
-
肩甲骨の動き
-
胸椎・体幹の動き
などを確認します。
さらに、
「上着を着るように動かしてみてください」
と実際の日常動作に近い形で動いてもらうこともあります。
その中で、
「ここで痛い」
「この瞬間だけ怖い」
というポイントを探します。
施術後も「服を着る動作」で再確認する
身体の状態に応じて、
-
関節モビライゼーション
-
筋膜へのアプローチ
-
トリガーポイント療法
-
カウンターストレイン
-
メディカルマッサージ
などを組み合わせます。
そして、
評価
↓
アプローチ
↓
もう一度着替え動作を再現
という流れで確認します。
例えば、
最初は袖を通すと肩が痛かった。
施術後に同じ動きをすると少し楽になった。
このように、
実際に困っている生活動作で変化を見る
ことを大切にしています。
着替えの工夫
痛みがある時期には、
以下のような工夫もあります。
-
前開きの服を選ぶ
-
ゆったりした袖を選ぶ
-
痛い側の腕を先に袖へ通す
-
脱ぐときは痛くない側から先に抜く
-
急いで腕を引っ張らない
-
強い痛みがある日は無理に肩を大きく動かさない
「普通に着替えないといけない」
と考える必要はありません。
今の肩の状態に合わせて動作を変えることも立派な対策です。
五十肩以外の肩痛にも注意
着替えのときに肩が痛むからといって、
必ずしも五十肩とは限りません。
特に、
-
転倒後から急に痛む
-
明らかに腕へ力が入らない
-
急に腕が上がらなくなった
-
肩が赤く腫れている
-
強い安静時痛がある
-
手や腕に強いしびれがある
場合は、
整形外科など医療機関での評価を優先してください。
まとめ|五十肩は「検査の角度」より「困っている動作」を見る
五十肩では、
腕が上がるか。
背中に手が回るか。
外旋がどの程度できるか。
といった評価も重要です。
しかし、
患者さんが日常で困るのは、
服を着られない
服を脱げない
袖へ腕を通せない
といった具体的な場面です。
だからこそ、
どの服で?
↓
着るとき?脱ぐとき?
↓
どちらの腕から?
↓
どの瞬間に痛い?
↓
ゆっくりならできる?
まで確認します。
五十肩で着替えがつらい方は、
単に「肩が硬い」と考えるのではなく、
どの動作のどの瞬間が一番困るのか
を一度確認してみてください。
それが、肩の状態を考える大切なヒントになります。
五十肩シリーズ
次は、髪を結ぶ・ドライヤーなど、腕を上げ続けると肩がつらい方へ。
▶ ⑤ 髪を結ぶ・ドライヤーで肩が痛いのはなぜ?頭上動作から見る五十肩
