
椅子に座っているときは大丈夫なのに、
「立とうとした瞬間に膝が痛い」
ということはありませんか?
特に、
-
ソファから立つと膝が痛い
-
デスクワーク後の一歩目がつらい
-
低い椅子ほど立ちにくい
-
膝の前や内側に痛みを感じる
-
立ってしまえば少し楽になる
-
手を使わないと立ちにくい
という方は少なくありません。
こうした症状があると、
「膝の軟骨が減っているのかな?」
「太ももの筋力が弱いから?」
と考えやすいと思います。
実際、変形性膝関節症では初期に立ち上がりや歩き始めなど、動作を開始するときの痛みがみられることがあります。
ただし、
立ち上がると膝が痛い=変形性膝関節症
と決めることはできません。
西荻窪きりん堂接骨院では、
「立ち上がりのどの瞬間で痛むのか?」
から身体の使い方を確認していきます。
結論|立ち上がりは1つの動作ではありません
椅子から立つ動きをよく見ると、
① 座っている
↓
② 身体を前へ倒す
↓
③ お尻が椅子から離れる
↓
④ 膝と股関節を伸ばす
↓
⑤ 立った姿勢になる
という複数の段階があります。
つまり、
「立つと膝が痛い」
という情報だけでは十分ではありません。
私たちが知りたいのは、
どの瞬間に膝が痛むのか
です。
身体を前へ倒した瞬間なのか。
お尻が浮いた瞬間なのか。
膝を伸ばしている途中なのか。
立った直後なのか。
この違いによって、確認したいポイントも変わります。
当院では立ち上がり膝痛を4つのパターンから考えます
これは病名の分類ではありません。
立ち上がり動作で、どこへ負担が集中しているのかを整理するための考え方です。
① お尻が浮く瞬間に痛いタイプ
椅子から立つとき、最も力が必要になる場面の一つが、
お尻が座面から離れる瞬間
です。
このとき身体は、
座っている状態から
↓
両脚で身体を支える状態
へ変わります。
そこで、
-
膝が急に内側へ入る
-
左右どちらかへ体重が偏る
-
上半身を勢いよく前へ倒す
-
手で太ももを押さないと立てない
といった動きがないか確認します。
大切なのは、
「膝に力がかかったから痛い」で終わらせないこと。
どのような身体の使い方で膝へ力が集まっているのかを見ます。
② 膝を伸ばす途中で痛いタイプ
お尻は問題なく浮くけれど、
そこから膝を伸ばす途中で痛む
方もいます。
この場合、
-
膝を最後まで伸ばせるか
-
左右差があるか
-
股関節も一緒に伸びているか
-
上半身が前へ残っていないか
などを確認します。
例えば股関節を十分に使えず、
膝だけで身体を持ち上げるような動き
になっている場合があります。
だからこそ、
膝痛でも股関節を見る必要があります。
③ 膝が内側へ入るタイプ
立ち上がるときに、
膝が内側へ入る
方もいます。
いわゆる「ニーイン」のような動きです。
ただし、
膝が内側へ入る=それだけが痛みの原因
とは決めません。
膝の位置は、
-
股関節
-
大腿
-
足関節
-
足部
などの影響を受けます。
例えば、
股関節
↓
大腿骨
↓
膝
↓
下腿
↓
足部
というつながりの中で、身体全体がどう動いているかを確認します。
膝だけを外へ押し出せばよい、という話ではありません。
④ 長く座った後だけ痛いタイプ
「普通に立つと平気なのに、30分以上座った後だけ痛い」
という場合があります。
これは非常に重要な情報です。
例えば、
5分座った後
→ 痛くない
30分後
→ 少し痛い
2時間後
→ かなり立ちにくい
のであれば、
立ち上がり動作だけでなく、“動かなかった時間”
も確認する必要があります。
このタイプでは、
「立ち方」だけではなく、
座っていた時間と、その後の動き始め
まで一つの流れとして見ます。
なぜ膝痛なのに股関節を見るの?
立ち上がりでは、
膝だけではなく股関節も大きく働きます。
身体を前へ倒し、
お尻を持ち上げ、
股関節と膝を伸ばしながら立ちます。
そのため、
股関節を十分に使えない
↓
膝の仕事量が増える
↓
立ち上がりで膝がつらくなる
という可能性も考えられます。
そこで当院では、
-
股関節を曲げられるか
-
股関節を伸ばせるか
-
左右差があるか
-
お尻の筋肉を使えているか
なども確認します。
膝が痛いからといって、膝だけを検査するわけではありません。
足首も立ち上がりに関係します
見落とされやすいのが足首です。
立ち上がるときには、身体の重心を前方へ移動させる必要があります。
このとき足首も動きます。
足首が動きにくい場合、
-
かかとが浮く
-
膝を内側へ入れる
-
上半身を大きく前へ倒す
など、別の動きで補う場合があります。
そのため、
膝・股関節・足首をセットで見る
ことが重要になります。
当院で確認する5つのポイント
① 普段通り立ってもらう
まず何も指示せず、いつもの方法で立ってもらいます。
ここで症状が出る瞬間を確認します。
② 足の位置を変える
足を椅子へ少し近づけたり、少し遠ざけたりします。
そこで膝の痛みが変わるかを確認します。
③ 身体の前傾を変える
上半身をどの程度前へ倒すと立ちやすいかを見ます。
④ 股関節・足首を確認する
立ち上がりに必要な動きを、それぞれ個別にも確認します。
⑤ もう一度立ってもらう
ここが重要です。
身体の使い方を少し変えた後、
同じ椅子からもう一度立ってもらいます。
痛みが、
軽くなるのか。
変わらないのか。
悪化するのか。
この「再テスト」を行うことで、どの要素が症状に関係している可能性があるのかを整理します。
自宅でできる立ち上がりチェック
痛みが強くない範囲で試してください。
チェック① 高い椅子と低い椅子を比べる
低い椅子だけ痛いのか。
高さに関係なく痛いのか。
この違いを確認します。
チェック② 足を少し手前へ引く
いつもより足を身体側へ少し引いて立ってみます。
症状が変わるか確認してください。
チェック③ 左右差を見る
立ち上がるとき、
片側の脚だけに体重をかけていないでしょうか。
左右どちらかへ身体が傾く場合もあります。
「太ももを鍛えればいい」だけではありません
膝痛というと、
「大腿四頭筋を鍛えましょう」
と聞くことがあります。
変形性膝関節症では、本人に合わせた筋力強化や有酸素運動などの運動療法が基本的な治療の一つとされています。
ただし、
膝が痛い人全員に同じ運動を同じ回数行えばよいわけではありません。
まず、
「どの動作で痛いのか」
「どのような身体の使い方をしているのか」
を確認し、その人に合わせた運動を選ぶことが大切です。
痛いのにスクワットを繰り返す必要はありません
立ち上がりで膝が痛い方が、
「鍛えないといけない」
と思って痛みを我慢しながらスクワットを繰り返す必要はありません。
まずは、
-
椅子を少し高くする
-
手を使って負担を減らす
-
足の位置を調整する
-
痛みの少ない範囲で立ち座りする
など、負担を調整します。
運動は大切ですが、
痛みに耐えることが目的ではありません。
西荻窪南口きりん堂接骨院では「立つ動作そのもの」を確認します
膝が痛い方に対して、
膝を触って、
「ここが硬いですね」
だけでは判断しません。
必要に応じて、
-
股関節
-
膝関節
-
膝蓋骨
-
足関節
-
足部
-
片脚立位
-
スクワット
-
歩行
などを確認します。
そして何より、
実際に困っている立ち上がり動作
を見ます。
身体の状態に応じて、関節モビライゼーション、筋膜へのアプローチ、トリガーポイント療法、カウンターストレイン、メディカルマッサージなどを用いながら、必要な運動や身体の使い方も組み合わせます。
なお、変形性膝関節症に対する手技療法については、運動療法と組み合わせる形が推奨されており、手技療法だけを単独で行う十分な根拠はありません。
そのため私たちも、
施術して終わりではなく、実際の動作がどう変わったかを再確認すること
を大切にしています。
医療機関へ相談した方がよい膝痛
立ち上がりの膝痛でも、接骨院だけで様子を見ない方がよい場合があります。
特に、
-
強く腫れている
-
赤く熱を持っている
-
急に体重をかけられなくなった
-
転倒やスポーツ後から強く痛む
-
膝がロックして動かない
-
強い安静時痛・夜間痛がある
-
症状が徐々に悪化している
場合は、整形外科など医療機関での評価を優先してください。
まとめ|立ち上がり膝痛は「痛い瞬間」を見る
椅子から立つと膝が痛いと、
「膝が悪い」
「筋力が弱い」
「軟骨が減った」
と考えやすいものです。
しかし私たちは、
身体を前へ倒した瞬間?
↓
お尻が浮いた瞬間?
↓
膝を伸ばす途中?
↓
立った直後?
↓
足の位置を変えるとどうなる?
というように、立ち上がりを細かく分けて考えます。
大切なのは、
「どこが痛いか」だけではなく、「なぜ立ち上がりのその瞬間に膝へ負担が集中しているのか」を見ること。
立ち上がると膝が痛い方は、次に椅子から立つとき、
「痛いのは立ち始めなのか、お尻が浮く瞬間なのか、膝を伸ばす途中なのか」
を一度確認してみてください。
その違いが、膝痛を見分ける大切なヒントになります。
膝痛シリーズ
立ち上がりよりも、階段を降りるときに膝が痛い方はこちら。
▶ ② 階段を降りると膝が痛いのはなぜ?「膝に体重がかかるから」だけではない見分け方
→→ネット予約←←
