身体を温める飲み物とは?冷えが気になるときの上手な選び方
寒い季節や冷房の効いた室内で過ごしていると、
「身体を温めるには、何を飲めばよいのだろう」
「コーヒーや緑茶は身体を冷やすから控えたほうがよいの?」
と気になることがあるかもしれません。
身体を温めたいときは、温かい飲み物を選ぶことで、口や喉、お腹のあたりに温かさを感じやすくなります。
ただし、特定の飲み物を飲むだけで冷え性が改善したり、代謝が大幅に上がったりするわけではありません。
飲み物は「身体を温める治療」と考えるのではなく、水分を補いながら心地よく過ごすための方法として取り入れましょう。
カフェインを飲むと身体が冷える?
以前は、コーヒーや緑茶などのカフェインを含む飲み物について、
「身体を冷やす」
「内臓の機能を低下させる」
と説明されることがありました。
しかし、カフェインを摂ると必ず身体が冷えるとは言い切れません。温かいコーヒーやお茶を飲んだときに、一時的に温かさを感じることもあります。
注意したいのは、身体を冷やすかどうかよりも、カフェインの摂取量と飲む時間帯です。
カフェインには眠気を覚ます作用がありますが、摂りすぎると、めまい、動悸、胃腸の不調、不眠などが現れることがあります。カフェインに対する感じ方には個人差があり、少量でも眠れなくなったり、胃が不快になったりする方もいます。
そのため、コーヒーや緑茶を一律に禁止するのではなく、自分の体調や睡眠への影響を見ながら調整することが大切です。
コーヒーや緑茶は何杯まで?
「コーヒーは一日2~3杯まで」といった目安を見かけますが、カップの大きさや抽出方法によって、含まれるカフェイン量は大きく異なります。
食品安全委員会が示している代表的な含有量では、200ミリリットル当たり、
- コーヒー:約120ミリグラム
- 紅茶:約60ミリグラム
- 煎茶・ウーロン茶:約40ミリグラム
- 麦茶・そば茶:0ミリグラム
とされています。
海外機関の評価では、健康な成人については、一日に合計400ミリグラムまでのカフェイン摂取であれば、一般的に安全性への大きな懸念はないとされています。
ただし、これは「400ミリグラムまで積極的に摂りましょう」という推奨量ではありません。体格、年齢、体調、服薬状況、カフェインへの感受性によって適量は変わります。
また、カフェインはコーヒーだけでなく、紅茶、緑茶、ウーロン茶、コーラ、チョコレート、エナジードリンクなどにも含まれています。
飲み物だけでなく、一日に摂るカフェインの合計量を考えましょう。
夕方以降のカフェインには注意しましょう
カフェインの影響で特に気をつけたいのが睡眠です。
欧州食品安全機関は、人によっては100ミリグラム程度のカフェインでも、就寝時間の近くに摂ると睡眠時間や睡眠パターンへ影響する可能性があるとしています。
次のような方は、午後から夜にかけてカフェインを控えてみましょう。
- 寝つくまでに時間がかかる
- 夜中に何度も目が覚める
- 朝起きても疲れが残っている
- 動悸や胃の不快感が出やすい
- コーヒーを飲むと落ち着かなくなる
夕方以降は、麦茶、ルイボスティー、カフェインを含まないハーブティー、デカフェのコーヒーなどへ切り替える方法があります。
デカフェやカフェインレスの飲み物にも少量のカフェインが残っている場合があるため、敏感な方は商品の表示を確認しましょう。
カフェインはビタミンを壊す?
「食事中にコーヒーやお茶を飲むと、ビタミンが壊れる」という説明には注意が必要です。
通常の量のコーヒーやお茶を食事と一緒に飲むことで、食事に含まれるビタミンが一律に壊されるわけではありません。
一方、コーヒーやお茶に含まれるポリフェノールなどは、豆類、野菜、穀物などに含まれる非ヘム鉄の吸収を妨げることがあります。影響が問題になりやすいのは、鉄分が不足している方、鉄欠乏性貧血を指摘されている方、月経のある方、妊娠中の方などです。
鉄不足が気になる方は、食事中や食事直後のコーヒー、紅茶、緑茶を避け、飲む時間を少しずらす方法があります。
また、鉄を含む食品と一緒に、野菜や果物などビタミンCを含む食品を摂ると、植物性食品に含まれる鉄を吸収しやすくなります。
日常的に選びやすい温かい飲み物
身体の冷えが気になるときは、特別な健康茶にこだわる必要はありません。
次のような飲み物から、体調や好みに合うものを選びましょう。
白湯・温かい水
カフェインや糖分を含まず、時間帯を選ばず飲みやすい方法です。
白湯を飲むだけで代謝が大きく上がるわけではありませんが、温かい水分を無理なく補給できます。
麦茶
麦茶は一般的にカフェインを含まないため、夕方以降やカフェインが苦手な方にも選びやすい飲み物です。
冷たい麦茶だけでなく、温めて飲んでも構いません。
ルイボスティー
一般的なルイボスティーはカフェインを含みません。
ただし、ブレンド商品には紅茶や緑茶などが加えられていることがあるため、カフェインを避けたい場合は原材料を確認しましょう。
ハーブティー
カモミールなどのハーブティーも、気分を落ち着けたい時間に取り入れやすい飲み物です。
ただし、ハーブの種類によっては、妊娠中、授乳中、持病がある方、薬を服用している方に適さないことがあります。健康効果を期待して大量に飲むのではなく、原材料や注意書きを確認しましょう。
デカフェのコーヒー・紅茶
コーヒーや紅茶の風味を楽しみながら、カフェイン量を減らしたい方に向いています。
完全にゼロとは限りませんが、通常のコーヒーや紅茶よりカフェイン摂取量を抑えられます。
甘い飲み物には注意しましょう
温かい飲み物でも、砂糖やシロップを多く加えると、糖分やエネルギーの摂りすぎにつながります。
市販のしょうが湯、ココア、ミルクティー、カフェラテなどは、商品によって糖分量が大きく異なります。
身体を温める目的で毎日飲む場合は、
- 無糖の商品を選ぶ
- 砂糖の量を少なくする
- 大きなサイズを習慣にしない
- 栄養成分表示を確認する
といった点も意識しましょう。
身体の冷えは飲み物だけで考えないことが大切です
身体が冷えると感じる原因には、気温や冷房だけでなく、運動不足、食事量の不足、睡眠不足、ストレス、長時間同じ姿勢でいることなど、さまざまな要因が関係します。
温かい飲み物は、冷えを感じたときの対策の一つにはなりますが、それだけで冷えの原因を解決できるとは限りません。
適度に身体を動かす、入浴する、衣服を調整する、十分な食事と睡眠をとるなど、生活習慣全体を見直すことも大切です。
強い冷えが長期間続く場合や、疲れやすさなど別の不調を伴う場合は、冷え性だと決めつけず、医療機関へ相談しましょう。
まとめ|目的と体調に合わせて飲み物を選びましょう
身体を温めたいときは、白湯、温かい麦茶、ルイボスティー、カフェインを含まないハーブティーなどが選びやすい飲み物です。
一方、コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶も、必ず身体を冷やすから避けなければならないわけではありません。
大切なのは、
- カフェインを摂りすぎない
- 夕方以降は睡眠への影響を考える
- 甘い飲み物を習慣にしない
- 鉄不足がある方は食事と飲む時間を調整する
- 自分の胃腸や体調に合うものを選ぶ
ことです。
「身体を温める飲み物はこれ」と一つに決めつけず、時間帯、体調、睡眠の状態に合わせて無理なく選びましょう。
※妊娠中・授乳中の方については、欧州食品安全機関は、すべての食品や飲料を合わせたカフェイン摂取量を一日200ミリグラムまでとしています。妊娠中の方、持病がある方、薬を服用している方は、医師や管理栄養士へ相談してください。
